35回目の七輪陶芸~もっともシンプルな自作釉薬に挑戦

市販の釉薬を使うのもいいけど、陶芸をやっているとやはり
自作の釉薬を使ってみたくなるもの。
…という訳で、今回は自分で作った釉薬を使って焼いてみることにしました

まずは今回の釉薬の作り方から。

1.七輪陶芸で出来た灰を園芸用のフルイにかけて大きな炭片やゴミを除去
  (※ただし飽くまで園芸用のフルイなので1ミリ以下のゴミは混入)
2.熱湯で灰のアクを抜く。本当は灰が沈殿→上澄み除去→再度水洗い…これを
  丁寧に繰り返し行って時間も一ヶ月以上かけるんですが、
  せっかちな自分はきちんと沈殿するのも待たずにさっさと上澄みを捨てるという
  暴挙に。それでも一応熱湯で6、7回は洗ったんだけど
3.乾燥させた灰を赤土と1:1の割合(乾燥重量)で混ぜる

以上。つまり土灰と粘土を同量混ぜただけの超シンプルな釉薬です
こんなレシピでもちゃんと釉薬になるというから陶芸って不思議。
(ちなみに土灰の割合をもっと多くしてやると伝統的な伊羅保釉のレシピになります)

ただし土灰とは言っても↑を見ていただければ分かるように
自分の用意した灰にはかなり不純物が混入していると思われます
炭の粉とか七輪の壁の粉末とか他にも色々…
あとアク抜きの過程、これもまたかなり怪しいです
陶芸界でいうところの『土灰』よりもしかしたらずっとアルカリ分が多いかも…
(アルカリ分が多いと釉薬が熔けやすく、また流れやすくなります
 あと素地の粘土に染み込んで強度をモロくするという悪さも)

まあややこしい話はともかくとしてですな、とりあえず一度焼いてみない事には
始まりません。まずは考える前にやってみよう!

c0219927_1773970.jpgという事で。今回焼いたのは前回の焼成で素焼きに終わった楕円鉢と、5割赤荒土で新しく作ったぐい呑み。両方とも↑の釉薬を掛けてあります(乾くと淡いモスグリーン色)。ただしぐい呑みの方は素焼きをせず乾燥させた生地にそのまま釉掛けしているので、ちょっと本当に焼いても大丈夫なのかどうかはよく分かってません(マテ)まあとりあえずやってみる


c0219927_17151328.jpg焼成メモ。昇温の時間はいつもと同じですが今回は釉薬をつかっているのでドライヤー送風をピークから23分維持。また急冷で釉薬にヒビが入るといけないので冷却はちょっとずつ送風を弱めていって温度を下げるようにしました


では焼き上がり。まずはぐい呑みから

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まず、思ったよりずっと釉薬っぽい仕上がりになった事に驚き。
色合いは見込みも含めて全体的に緑青色で、乳濁している所も多数あり
濃緑になっている所は恐らく炭火が強く当たったところなのではないかと推測します
今回は素地にも釉薬の材料にも鉄分が多く含まれているので、
それが還元されて青磁のような色になったようです

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鉢の方もぐい呑みに近い色合いなんですが、しかしこちらの方が全体的に
乳濁しているというか、比べてみるとやわらかい感じがします
(ぐい呑みの方は透明感があり、はっきりとシャープ)
この違いは素焼きの有無によるものなのか、それとも釉掛けの厚さの違いによる
ものなのかまではちょっとよく分かりません(ぐい呑みの方は粘土が溶けたらマズイので
やや薄めに、逆に鉢の方はぽってりと釉掛けしたのです)

それから釉が乳濁釉調になったのは、恐らくは細かな気泡が発生したせい
なのではないかと思います
つまり灰の中に含まれていた炭素の粉が焼成中に炭酸ガスになって
気泡になったのではないかと
シリカ(ガラス質)が多い釉薬も乳濁調になるそうですが(例:シリカとしてわら灰を使う萩釉等)、
今回の配合ではそういう事は恐らくないんじゃないかなぁと思います…多分…

えっと正直難しい事はよく分からんのですが、粘土と灰を混ぜるだけでも
ちゃんと釉薬になるって事は分かりました
色も火の当たり具合、釉の厚みのムラが景色になって予想以上にキレイ。

今回はちょっと七輪陶芸のスゴさを改めて見せつけられた思いです


あと素焼きをせずに釉掛けする技法(生掛け)って江戸時代までは
当たり前だったんですね…焼いた後調べて知りました
今回は釉薬の半分が素地と近い粘土だったので釉と素地の性質が近く、
それで偶々上手くいったのかも…
ビギナーズラック…・?
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by 1000ray | 2010-01-19 18:01 | 七輪陶芸


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